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映画 |
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映画のページ・日本映画の楽しいお話 |
日本映画は、けっして長い歴史とは言えないと思うのですが、栄枯盛衰、ず いぶん激しい変化をとげてきたと言えるのではないでしょうか？ それこそ、映画が娯楽の王様と言われ、どの町にも映画館があり、観客があ ふれていた時代もありました。 今ではほとんどなくなってしまいましたが、「名画座」と呼ばれ、ロードシ ョーが終わった映画を、２本立て、３本立てにして安く見られる映画館もたく さんありました。 学生にとっては、安い料金でたくさん映画が見られるので、「ぴあ」片手に みんな行ったものです。（「ぴあ」を見せると割引ってのもありましたよね。） 「ぴあ」も最初の頃から知っていますが、認知されるまでは、書店の片隅に ひっそり積まれていました。でも、あっというまにメジャーな雑誌になりまし た。
日本映画は、ハリウッドとは違った、１つの確固とした文化だと思います。 たとえば、「寅さん」のように、超ロングシリーズの映画というのは、日本 映画独自のものでしょう。いまでも「釣りバカ」シリーズなどがありますよね。 それから、クロサワ映画は、多くのハリウッドの監督が崇拝しているのは有 名ですよね。たとえば、スピルバーグとかも、黒澤明監督の演出を研究したり しているそうですね。
黒澤監督の映画に「生きる」という有名な映画があります。余命わずかの宣 告を受けた役所の課長が、残りの命を住民の願う公園作りのために努力する というお話です。 それまで、この課長は役人根性で、面倒な仕事は他に回し、できるだけ失敗 なく無難に役所勤めをすることしか考えていませんでした。ところが、死の宣 告を受け、彼は「生きる」意味を考え始めます。 そんな時、役所の若い女の子が、「こんな死んだような職場は嫌だ！」とい って辞めてしまいます。その子と偶然町で会った彼は、喫茶店で彼女に「生き る」意味を問うのですが、彼の真剣さに恐れて、女の子は出ていってしまいま す。 ひとり残された彼は、自分の今までの行き方を見つめて、残された人生を本 当に生きようと決意します。 その時、喫茶店の後ろの方で、物語とはまったく関係のない若者たちが、パ ーティーをやっているのですが、そこにパーティーの主役が到着して、一斉に 「ハッピーバースデイ」を歌い始めるのです。 なんて手の込んだ演出だと思いませんか？
スピルバーグの「カラーパープル」。スピルバーグ監督が、シリアス映画と しては初めて本格的にメガホンを取った作品です。まだ、アカデミー賞の選考 委員が、スピルバーグをＳＦ映画しか撮れないと侮ってその価値が分からず、 アカデミー賞に選ばなかったんですよ。（たぶん・・・） この映画を見た時、題名の「カラーパープル」ってどういう意味と思ったん です。「パープル」は「すみれ」ですが、特に「すみれ」が出てきた場面があ ったとは思いませんでした。 それで、ビデオで何度か見たら、主人公のウーピーゴールドバーグが、荒れ 果てたミスターの家に来て、初めて汚い台所の壁を手でぬぐったシーンで、そ の壁の汚れの下に、きれいな花の絵が出てくるのです。 その後、長年に渡るミスターからの虐待を経て、彼女は自由になるのですが、 最後のシーンで、ずっと冷たい心しかなかったミスターが、彼女のために妹か らの手紙を送ってあげるという場面が出てきます。壁の汚れをぬぐったシーン は、ここの場面につながっていたのでしょう。 このさりげない演出は、黒澤監督に似た日本人的な細やかさだと感じたので すが、どう思いますか？ |
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