米と日本文化 |
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米から車まで、日本文化の歴史 |
『和の趣味のページ』では、さまざまな日本文化を取り上げています。 このページでは、食文化の米から現代の車文化まで、日本文化をトータル に歴史の観点から考えてみたいと思います。 着物のページでも記述しましたが、着物を表す『呉服』という言葉は、外国( 呉の国)の服という意味です。つまり、衣の日本文化の代表である『着物』も、 もとは海外から来たものでした。 日本文化の歴史を見ると、今私たちが普通に『日本的』と感じている文化の ほとんどが、もとは外国からもたらされたものであることが分かります。しかし それらは、日本人に受け入れられると、日本人の独自の感性によって、日本 独特の文化として昇華されてきました。 ただ、先に一言付け加えさせていただきたいのですが、逆に日本から文化 が流出して海外の文化に大きな影響を与えた例もあります。例えば、伊万 里・有田焼の柿右衛門などは、ドイツのマイセンの陶磁器などを生み出して いるのです。 では、少し日本文化の歴史を振り返ってみましょう。 まず、『食』の文化ですが、何と言っても日本人はお米ですよね。稲の原産地 はインド・東南アジアで、これがどのような経路で日本に入ってきたかは、はっ きりしていませんが、中国あるいは朝鮮半島からもたらされたものと推測され ています。 しかし、今私たちが食べているお米は、ジャポニカといって『日本の米』です。 かつて、冷害で米不足になったときにタイ米が輸入されましたが、こちらの方が 原種に近いお米だと思いますが、日本人の口には合いませんでした。 日本のお米は、日本人による長年の品種改良の結果、独特のうまみのある 米に進化しています。これだけを見ても、日本の文化、日本人の文化の育て 方がはっきり見えてくると思いませんか? そして、『衣』の文化ですが、これは着物のページで紹介していますが、織物 の技術は、大和朝廷の時代(古墳時代、4〜5世紀ごろ)に中国大陸や朝鮮 半島からやってきた渡来人たちによって伝えられました。驚くのは、当時の朝 廷が彼らを重用し、身分を与えて各地に配置して、その技術を広めたことで す。 ここにも、日本人独特の海外文化の吸収の柔軟性が出ていますね。 すが、それを表記する文字はすべてもとは外国製ですよね。漢字はもちろん 、ひらがな・カタカナも漢字から生み出しています。 漢字を変形させて、自分のところの文字に変えてしまうなんて、きっと日本人 だけではないでしょうか? それから宗教ですが、日本独自の宗教として『神道』というのがありますが、 それよりも『仏教』のほうが広まっていますね。もっとも、宗教というのは国を 越えたものですから、他の国でもいろいろな宗教が混在しているものです。 ただ、ちょっと日本人の感覚が独特だなあと思うのが、この2つをあまり明確 に区別しない感覚になっていることです。 この意見には反論もあるでしょうが、少なくともあまり宗教に関心のない人た ちは、同じ感覚で見ています。例えば、京都に修学旅行に行って、神社仏閣を 回 りますが、仏教か神道か、寺か神社か、いちおう考えますが同じ感覚でし かとらえていないと思います。 それから初詣とか、NHKの「いく年くる年」とか見ていても、神社もあり寺 もあり、とりあえず近場で有名なところに人が集まってますよね。 『文字』(言葉)と『宗教』というのは、精神文化の根幹だと思うのですが、 これさえももとは外国製で、でも日本の独特なものに変化していて、日本人は これは『自分たちのもの』ってまったく疑いもなく受け入れているんですね。 長くなってしまうので、時代をずっと下って、『武器』と『車』のことを考え て見ましょう。 まず『武器』ですが、鉄砲が伝来したのは室町時代の末、1543年の種子島 です。時まさに戦国の世だった日本。あっというまに、武士の戦いに取り入れら れました。 そして、徳川江戸幕府の鎖国による天下泰平の260年の長い休息がありま したが、幕末になるとすぐに西洋式の武器・軍隊が作られていきました。明治 新政府は、西洋の軍人を取り立てて、日本の軍隊を組織していきます。これ は、大和朝廷が渡来人を用いたのと同じですよね。 このころから、海外の軍艦を取り入れるようになるのですが、やがて日本は 軍艦の製造技術でも世界のトップをいくようになり、あの『戦艦大和』を生み出 すわけです。 この技術は、戦後の日本の復興には大きく貢献しました。戦後の経済成長 の中で造船業もその一翼を担って、長い間造船世界ナンバー1の地位を守っ てきたのです。(現在は違います) さらに戦後大きく躍進したのは、自動車産業です。これはいまさら言うまでも ないでしょう。 急ぎ足でたどってみましたが、少し日本の文化のありよう、日本人の独特な 感性がお分かりいただけたのではないでしょうか? もう1点つけくわえると、それでも日本人はあまり自分たちの文化を声高らか には自慢しませんし、やっぱり海外のものに対するあこがれが根底にあるよ うです。 それは例えばブランド物が日本ではよく売れるとか、高級車は日本車より も外車の方が売れるとかに、よく表れていますね。 でも、そういう日本人だからこそ今の日本の文化があるのでしょう。 |
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